年齢を重ねるごとに「髪にボリュームがなくなってきた」「朝セットしても午後にはペタンコに…」といった悩みを抱える方が急増しています。
髪がつぶれてしまう原因は1つではありません。以下で詳しく見ていきましょう。
1. なぜ髪がペタンコになる？根本原因をチェック
原因① 頭皮の血行不良・毛穴のつまり
髪の毛は、毛根にある「毛母細胞」が活発に働くことで生まれます。しかし、頭皮の血行が悪くなると、毛母細胞への栄養供給が滞り、細くてコシのない髪が生えやすくなります。
また、シャンプーや整髪料の洗い残しで毛穴が詰まっていると、髪がまっすぐ立ち上がらずペタッと寝てしまう原因になります。
原因② シャンプーや乾かし方のNG習慣
意外と多いのが、「しっとり系シャンプー」の使いすぎや、「自然乾燥」の習慣。保湿重視の製品を毎日使っていると、髪が重たくなりボリュームダウンします。
また、ドライヤーでしっかり根元から乾かさずに自然乾燥すると、寝ぐせ・うねり・ペタンコ髪の温床に。
原因③ 栄養バランスの乱れ・加齢変化
栄養不足やホルモンバランスの変化も、髪の成長サイクルに大きく影響します。特に鉄分や亜鉛、ビタミンB群が不足すると、髪が成長途中で抜けてしまうことも。
加齢に伴い、頭皮の皮脂バランスも崩れやすくなるため、今まで通りのケアでは対応できないケースも増えています。
髪のボリュームアップには“基本ケアの見直し”が最優先
ボリュームアップの土台は「頭皮環境の改善」と「髪を立ち上げる乾かし方」にあります。どんな高級な育毛剤を使っても、基本ができていなければ効果は薄いのです。
① 正しいシャンプー習慣を身につける
NG習慣：
- 一度でしっかり泡立てずゴシゴシこする
- 予洗いが雑で汚れが落ちにくい
- シリコンや重め成分が残って毛穴詰まり
正しい手順：
- ぬるま湯（36〜38℃）で1〜2分かけて予洗い
- 手のひらでよく泡立ててから髪にのせる
- 指の腹で優しく“動かすように”マッサージ
- 2〜3分しっかりすすぎ、仕上げは冷水ですすぐと◎
② タオルドライ＆ドライヤーで根元から立ち上げる
タオルで髪をゴシゴシこすると摩擦でキューティクルが損傷し、髪がうねりやすくなります。水分を優しく押し出すように拭き取るのが基本。
ドライヤーのポイント：
- 髪の根元から乾かす（立ち上がりを作る）
- 乾かす方向は“下から上へ”持ち上げるように
- 8割ドライ→冷風でキープ力アップ
③ 仕上げに育毛エッセンスやスカルプローションを活用
根元からハリ・コシを出すには、育毛系のスカルプローションを使うのも◎。おすすめは「女性専用・無香料・低刺激処方」のタイプ。洗髪後の清潔な頭皮に塗布し、指の腹でマッサージしましょう。
髪質別・ボリューム不足の対策法
髪がペタンコになる原因は、人によって異なります。
「軟毛で細い髪」「ダメージでハリがない」「年齢によるエイジング毛」など、それぞれに合った対策が必要です。自分の髪質を見極めて、最適なアプローチを取りましょう。
① 軟毛・細毛タイプ：ふんわり仕上がる軽めケア
もともと髪が細くて柔らかい人は、重たいトリートメントやオイルを使いすぎるとボリュームが失われやすくなります。
対策ポイント：
- ノンシリコン・ふんわり系シャンプーを選ぶ
- トリートメントは毛先のみに使用
- ドライシャンプーやボリュームスプレーを活用
おすすめアイテム：
ミルボン「ボリューム シャンプー」、YOLU「カームナイトリペア」
など
② ダメージ毛タイプ：補修＋キューティクルケア
カラーやブリーチ、熱ダメージで髪が傷んでいる人は、髪内部がスカスカになっているため、根元の立ち上がりが出にくくなります。
対策ポイント：
- インバストリートメント＋アウトバス保湿で髪密度を回復
- 低温ドライヤーやアイロンでダメージを最小限に
- キューティクルを整えるpH弱酸性ケアを導入
おすすめアイテム：
ケラスターゼ「ディシプリン」シリーズ、ラサーナ「海藻ヘアエッセンス」
など
③ エイジング毛タイプ：頭皮ケア×栄養補給が最優先
40代以降の髪悩みで多いのが「トップにボリュームが出ない」「分け目が目立つ」といった変化。これは加齢による頭皮の硬化やホルモンバランスの乱れが大きく関係しています。
対策ポイント：
- スカルプローション・育毛美容液で血行促進
- マッサージブラシで頭皮をやわらかく保つ
- タンパク質＋ミネラル補給で髪の生成力UP
おすすめアイテム：
アデノバイタル「育毛エッセンス」、エトヴォス「スカルプブラシ」
など
4. 食生活・インナーケアで髪の“材料”をしっかり補う
外側からのケアに加えて、内側からのサポートも忘れてはいけません。髪のボリュームは「栄養状態」に大きく左右されます。偏食・ダイエット・ストレスが続くと、髪の成長がストップしてしまいます。
① 髪の材料「タンパク質」はしっかり摂取
髪の95％は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質で構成されています。特に吸収効率の良い動物性たんぱく（卵・魚・鶏むね肉）を意識して取り入れましょう。
② ビタミンB群で髪の代謝と成長をサポート
ビタミンB2、B6、ビオチンは、髪を作る細胞（毛母細胞）の働きを活発にします。水溶性ビタミンなので、毎日継続して摂取することがポイントです。
含まれる食材：レバー、納豆、卵黄、バナナ、玄米など
③ 亜鉛と鉄分で髪の土台を強くする
亜鉛はケラチンの合成に不可欠なミネラル。鉄分は酸素を毛根へ届ける役割があり、どちらも不足しがちな栄養素です。
おすすめ食材：牡蠣、赤身肉、大豆、ほうれん草、ひじきなど
④ サプリメントで手軽に栄養補給
忙しくて食事が不規則な方には、髪専用サプリの活用も効果的です。
- ベルタ ヘアサプリ
（女性向け・栄養バランス◎）
- ネイチャーメイド 亜鉛＋ビタミンBコンプレックス
- DHC ボリュームアップサプリEX
ただし、サプリメントはあくまで“補助”として。基本はバランスの取れた食生活が前提です。
おすすめ！髪のボリュームアップに効く人気アイテム
市販でも美容室専売でも、「ふんわり仕上げ」「根元の立ち上がり」「軽やか質感」を叶えるアイテムは多数あります。ここでは、現役美容師が厳選した“本当に使える”ボリュームケア製品をご紹介します。
① シャンプー・トリートメント部門
- ミルボン ボリューム シャンプー＆トリートメント
軟毛・細毛に特化したプロ仕様。ハリ・コシが復活するとの声多数。 - YOLU カームナイトリペア
夜の集中補修型。猫っ毛にも使いやすく、ナイトケアで翌朝ふんわり。 - kurokamiスカルプ（haruシャンプー）
ノンシリコンでスカルプケア＋ボリュームUPが叶うオールインワンタイプ。
② アウトバストリートメント・スタイリング部門
- ルシードエル ボリュームエッセンス
ドライヤー前に使うだけで根元ふんわり。ベタつかず軽い仕上がり。 - N. ポリッシュオイル
毛先のパサつき防止＆自然なツヤをプラス。つけすぎ注意。 - アデノバイタル
頭皮の血行促進と毛根ケアを同時に。女性用育毛剤として人気。
③ スタイリング＆サポートアイテム
- サロニア アイロン
毛先を巻くだけでトップのボリュームが出やすくなる定番アイテム。 - ナプラ N. ナチュラルバーム
ボリュームキープしつつ毛束感も演出可能。ナチュラル派に。
ペタンコ髪を防ぐ！朝・夜のおすすめルーティン
アイテム選びだけでなく、日々のケア習慣がボリューム維持には非常に重要です。ここでは「朝の立ち上がり対策」「夜の仕込みケア」の2パターンに分けて、実践しやすいルーティンをご紹介します。
【朝のルーティン】ふんわり立ち上がりを作る
- 起床後、ドライシャンプーまたはミストで根元を軽く湿らせる
- 根元を起こすように下から上へドライヤーを当てる
- 立ち上げたい部分をカーラー or コテで軽く巻く
- キープスプレーを根元にだけ少量吹きかける
この工程をたった5分行うだけで、午後までボリュームキープが可能になります。特にトップが潰れやすい方は、前髪・頭頂部の根元の乾かし方を意識するだけで印象が激変します。
【夜のルーティン】“ふんわりの土台”を仕込む
- ノンシリコン or 軽め処方のシャンプーで頭皮クレンジング
- トリートメントは毛先中心、根元にはつけない
- 頭皮用ローションを塗布してマッサージ（3分）
- ドライヤーは必ず根元から→冷風で仕上げ
- ナイトキャップ or シルクの枕カバーで摩擦対策
夜のうちに「頭皮の柔らかさ」「根元の立ち上がり」を作っておくことで、翌朝のスタイリングが圧倒的にラクになります。
NGルーティンに注意！
以下のような習慣は、ボリュームダウンを引き起こす原因になります。
- 自然乾燥で寝る（雑菌繁殖・根元ペタンコ）
- 毎日重めのトリートメントを根元までつける
- 髪が濡れたまま帽子やターバンで寝る
小さな積み重ねが、半年後の「ふんわり髪」を作ります。朝晩のケアをルーティン化することが、ボリュームアップの最大の近道です。
髪のボリューム不足に関するよくある質問【Q&A】
髪がペタンコになる原因や対策について、読者の方からよく寄せられる疑問をまとめてみました。専門家の見解をもとに、わかりやすく回答していきます。
Q1. 髪のボリュームを出すには毎日シャンプーした方がいい？
毎日のシャンプーはOKですが、洗いすぎや脱脂力の強すぎるシャンプーはNG。頭皮の皮脂バランスが崩れると、髪のコシも失われます。夜は必ず乾かして寝ることもポイントです。
Q2. 髪が細くなるのは加齢のせい？それとも生活習慣？
両方が関係しています。加齢によるホルモンの低下に加え、栄養不足・睡眠の質・ストレス・喫煙なども髪の成長に悪影響を与えます。つまり、「年齢のせい」ではなく「環境のせい」にできる部分も多いのです。
Q3. 美容室でボリュームアップは可能？
可能です。おすすめはトップにレイヤーを入れたカットや、根元パーマ（ボリュームパーマ）。自宅ケアと美容室の力をうまく併用すると、劇的に印象が変わります。
Q4. スタイリング剤を使っても午後にはペタンコになります
朝のドライヤーでしっかり根元を起こせていない可能性が高いです。また、湿気の多い日はキープスプレー＋冷風仕上げを徹底しましょう。根元に軽いワックスをつけるのも有効です。
Q5. 髪のボリュームを増やすサプリメントって効果ある？
即効性はありませんが、髪の生成に必要な栄養素を補うことで中長期的には効果が期待できます。ただし、食事や睡眠などの土台が整っていないと意味がないため、あくまで補助的に考えましょう。
まとめ：ボリュームは「習慣」で変わる。今から始めるふんわり髪ケア
「髪のボリュームがない」「ぺたんとする」「分け目が目立つ」…こうした悩みは、適切なヘアケア×頭皮環境の改善×インナーケアによって、年齢を問わず改善できます。
本記事で紹介したアプローチをおさらいすると：
- 髪質別に合ったアイテム選び（軽い仕上がり重視）
- 頭皮を育てるシャンプー＆マッサージ習慣
- 朝・夜ルーティンで「根元の立ち上がり」をつくる
- 食生活・睡眠を整えて、髪の材料を満たす
最初は手間に感じるかもしれませんが、続けることで確実に髪は応えてくれます。ふんわり感が出ると、見た目年齢も印象もガラリと変わります。
「もう年齢だから仕方ない…」とあきらめる前に、できることから一つずつ。
